その1人は一瞬にして固まる。
もちろん、それは綾瀬。
「ぁ、あの…」
涙目になりながら顔を真っ赤にして…
なぜか、俺の方を向く。
『助けて…』と言ってるようで。
んな事、俺が知るかっ
そして、そんな顔で俺を見るな
しかも、俺がどうとできるわけじゃない。
綾瀬は俺の考えをよんだのかしゅん…とうなだれ
「すいませんでした。寝てました。」
先生は
「綾瀬が寝るなんて珍しいな。次はないからな。」
綾瀬は、はぁーいっ!と。
俺は綾瀬をチラッと見る。
ふわぁ~、となりながら目をこすり
シャーペンを動かしはじめた。
さっきの綾瀬に見つめられた時は
かなりドキドキした。
ドキドキ…ねぇ~…
チクチクに、バクバクに、ドキドキ。
呪文みたいだな。
よくわからない感情と過ごすと
疲れる。
この原因は全部、綾瀬のせいなんだがな。
でも、これは全部『好き』に関係してるから
いいんだよな。


