極上-甘すぎ彼







「はぁ…本当に…あの人が憎い…

私とお母さんを見捨てるなんて…」


…私だって見捨てられた。

お母さんもきっと辛かったと思う。





「でもあんたになんか同情されたくない。

自分だけ、のこのこ幸せに暮らして…」





今にでも先輩は私に掴みかかりそうだ…









「きっと…私には幸せなんてないんだね。」

悔しそうに悲しそうに

目を伏せながら言った。












…そうだ。


私…これを言いたかったんだ。







「先輩…私の話も少しは聞いてください。」





先輩は頷く事はなかったけど黙った。








「前、先輩が言った通り…

確かに…私は人に頼ってばかりです。多分1人じゃ何もできない。」




ふん。と言った先輩。






私は構わず続ける。




「でもね。
かならず人間は誰かに
支えてもらってるんです。

支えてもらっていないときっと、今生きてる実感ないと思います。

この人がいるから私がいる。


いや、この人がいるからこそ

私もいなきゃダメなんじゃないかと
思います。」








そこまで、私は言うと
一回息を吸う。










ーー…ガチャ…






え…?