「…ううん。大丈夫よ。」
ん…?
この声…は……
私は頭をあげ、その人を確認する。
…ドクン…と
心臓がなる。
「先輩…」
そしてかばうように私を後ろに隠した。
「あらあら。本当、あなたったら守ってもらってばかりなのね~」
ニヤリと笑いながら私を見る。
「…かわいそうね。顔が霜下に似てるんだね。」
…!!
一番、言われたくなかった言葉…
お父さんに似てる。
最悪だ……。
私は顔を伏せる。
もう…せっかく…言いたいことあったのに…
似てる。なんて…言われたくないよぅ……
「…先輩。俺たちもう行きますわ。」
私の手を掴んで無理矢理連れていかれる。
先輩はニヤッと不敵に笑いながら
私に口パクで何かを伝えた。
「っ…。」
行かないと…いけない。


