「ちっ、ちげーしっ!ただ仲がいいだけだし!」
いや…これは脈あり…だね。
きっと、私のせいで彼女とか作らないのかなぁ…
「聖…?遠慮とかしなくていいよ?自分で決めてね。」
私は聖に向かって微笑む。
聖はオロオロするが…
「ねぇちゃんありがと。
……でも俺の大切な人はねぇちゃんだから、それは変わらないから。
じゃ、いくなっ」
聖はそう告げて、行ってしまった。
しばらく見つめていた。
「先輩ってたまに、名言とか言いますよね。そこが惚れちゃいますわ!」
目をキラキラさせている陽暮くん。
私は顔を赤らめる。
いやだんだんと…陽暮くんが男にみえるんだもの…
実は…一週間前に告白された。
私は困りながら返事を返した。
『ごめんなさい。』って…
だけど……『俺は諦めませんから!聖みたいにお人好しじゃないんで!』
そう告げられた。
ーー…
「はは。そう言うけど、名言なのかなー?って思う。」
苦笑いの私。
「…舞…早く教室いこ。」
急に私の隣にきた冬真くん。
「え…あぁ…うん?」
…?!
なぜか陽暮くんは私の腕に力を込める。
「行かないでほしいっす…」
まるで捨てられた子犬のようだ…


