…私は陽暮くんの背中を見つめていた。
私より年下のくせにすごく強いなぁ…
私もああいう風になりたいや。
…
……
しばらく沈黙が続く。
それを破るのは……
「なんであいつといるんだよ。」
冬真くんだった。
私の肩はビクッとなる。
さっきの事…言ったほうが……
…いい…よね…?
私は誤解を解くため
さっき、あった出来事を話す。
普通なら、そっか。とか優しくしてくれるものだよね?
でも冬真くんは…
「いつも…なんであいつなんだ…」
そう小さく呟いて、目を伏せた。
すごく悔しそう。
伏せていた目を次に私の方に向ける。
それだけで、ドキッと胸が高鳴る。
「なんもされてない?」
さっきは悔しそうだったのに
私の事になると、優しそうな目で
見つめられる。
「ぅ、ぅん…」
正直、どう対応しようか迷う。
優しい冬真くんは反則だ。
そして、しばらく見つめ合う。
照れてしまうが冬真くんから目が離せない。
冬真くんは再び、私を
ぎゅーーーっと抱きしめた。
「ごめん…守れなくて…」
顔は見えないけど
悔しそうに悲しそうに私の耳元で呟いた。


