「…先輩、俺…」
また私の心臓はドクンドクン…と
脈を早く打つ。
「ってめぇ、っざけんじゃねぇよ。」
急に後ろから引っ張られ
また視界が真っ暗に…
でも…
なんか知ってる…
この声…この胸の暖かさ…
見なくてもきっと私ならわかる。
「とう、まくん…」
私はそう呟きながら上を向く。
やはりそれは冬真くんだった。
「はぁ…冬真先輩…まぢ勘弁っすよ~」
ため息つきながら、陽暮くんは座る。
「せっかく、心に決めてたのにぃー」
私は、?になる。
「悪いな。簡単にはあげないから。」
低い声で話す冬真くん。
「こっちだって、簡単になるとは思ってませんよ。だけど…守りたい人なんですもん。」
しばらく沈黙が流れる。
「じゃ、いきますわ。」
そう言って立ち上がり
私達から背を向けた。
あ!!お礼!
「陽暮くんっ!!」
私は冬真くんから離れ
陽暮くんは顔だけこちらに向ける。
「さっきはありがとっっ!」
陽暮くんはニヒッと笑い、ピースをして
私達から立ち去った。


