「ごめんね。なんでもない。」
私は笑ってごまかす。
「そうっすか?じゃ、いきましょ♪」
私は木茂火くんの部屋に入る。
てか…今思えば……簡単に男の人の部屋入っちゃったよ…
わたしは入り口付近で固まってしまう。
木茂火くんは机の方にいってしまう。
だ、だ、大丈夫…だよね?
私はゆっくり木茂火くんの方に近づく。
「先輩、ここっす!」
私はのぞいてみる。
…あー…ここならわかるかも
「えっと…多分…」
私は木茂火くんからシャーペンをかしてもらい、書いていく。
「ほぅほぅ。先輩ありがとっす!」
ニコニコ笑う木茂火くん。
「ううん。木茂火くんの頼みだもんね。」
私はシャーペンを返しながら言う。
「…うーん」
いきなり何かを悩みはじめる。
「どうしたの?」
私、なんかしたかな…?
「俺も…名前で呼んでほしいっす!」
目をキラキラ輝かせながらそう言った。
「へ…?」
いきなりすぎて声が裏返った。
「だって、皆名前で呼んでるのに、俺だけ名字はやだ。」
え…?
待って…
今…
敬語じゃなかったよね?
「てか、名前で呼べよな。」
あの…まったくついていけません…
なんか俺様になってるよ?!
「っと…あのぉ…名前…か」
「先輩、驚いてるっすね!
一回俺様やってみたかったんすよ!まぁ、とにかく名前で!」
あぁ…演技?…かぁ…
一瞬でイメージ変わっちゃったからね。
そして…名前ですか…


