「あ~ぁ。舞のせいで藤堂、機嫌悪くなるよー?」
まだニヤニヤしながら夢井は言う。
あー…全部にイラついてきた。
「もうっ!冬真くんったら!」
木茂火から離れて俺の前にしゃがみこんでくる。
…なんか……
嬉しいかも…
ずっと拗ねてれば舞いてくれるかも…
「冬真く……きゃっ…」
俺は抱きしめる。
夢井は、らぶらぶぅー♪とか言ってる。
木茂火は…知らん。
とにかく今が幸せで、ずっとこのままが
いいなぁ~と思った。
「舞…おれ、……幸せ…」
なんて、舞だけにきこえるように言う。
そして離れる。
舞の顔は真っ赤で…
でも、優しく俺を見つめる。
ニコッと微笑み
『私も幸せだよ。』
小さい声でそう言った。
「おーい。二人とも~そろそろかえってきて~」
そんな声なんて、気づかなかった。
まして、誰かが俺たちを
見ていた事なんてーーーーーー……


