ーー…トントン
「…?」
「お取り込み中すいません…」
そこにいたのは…
「あれ…君は…」
確か…聖が病院にいた時
私にたずねてきた子だよね…?
「綾瀬先輩、久しぶりっす。」
そう言ってお辞儀する。
「ぁ…久しぶりです」
そして、冬真くんは私と彼を交互に見る。
「二人とも知り合い?」
「ぁ、一回あった事あるだけ。」
ふぅん。と言い
「そっか。実は舞の場所教えてくれたのこいつなんだ。」
…へ?
そうなの?
「いや、たまたま通りかかって
声がしたから、覗いたら先輩いるし。俺行ってもどうしよーもないから
先輩呼んだだけっすよ。」
「へ~…ありがとうねっ!」
彼はなぜか頬をピンクに染める。
そして、何かブツブツ言っている。
…??
「あ、名前何て言うの?」
「木茂火 陽暮(コモビ ヒグレ)です。」
…ぅ…珍しい名前だなぁ…
「えとぉ、木茂火くん、ありがとね。」
「さんきゅーな。」
冬真くんも言う。
「いえいえ。好きな人のためなら、なんでもするっすから」
…ん?
好きな人…?
木茂火くんは、あっ!と言って
「あははぁ~冗談っすよ。憧れの人っす!じゃ、予鈴なるから、またいつかっすね!じゃ!」
そして、木茂火くんは風のように去っていった。


