ーー…『皆で手、合わせよ。あと土曜日…お墓参りな。」
お父さんが言った。
私と聖はコクリと頷いた。
だから早く帰らなきゃいけない。
ーー…
「「「さよーならぁー」」」
生徒たちはゾロゾロと帰っていく。
「鈴っっ!」
私は鈴を呼ぶ。
「あの…今日はありがとう。」
鈴は優しく微笑む。
「うぅん。ほらっいっておいで。」
私は涙のせいか視界が滲んできた。
「ほらもういかなきゃ。」
私のカバンを私の手に渡し
背中を押して、教室からでる。
「ありがとうっ!!」
私は鈴にもう一回、お礼を言い
下駄箱まで走る。
まずは一年生の下駄箱を確認。
聖の靴を探す。
だが、すでに上履きに……


