もう、いるかも…
俺はドアノブに手を伸ばす。
ーー…ガチャ
そこにいたのは舞だった。
「…待たせて、悪い。」
「ううん。大丈夫。」
ドキドキとなるうるさい心臓。
落ち着け…落ち着け俺……
「昨日の事で…本当にごめん!」
…俺は頭を少し下げて言う。
「大丈夫…!、私こそ…ごめんなさい…」
え…なんで……?
「ねぇちゃんが謝る必要はないんじゃ?」
頭をあげる俺。
元はといえば俺が悪いし。
「でも…あんなひどい事言っちゃったもん…」
目を伏せながら舞は言う。
「本当の家族じゃないし。とか言っちゃってごめんなさいっ」
…本当の家族じゃないか……
…「大丈夫。」と俺は言って
舞の頭をなでる。
俺が本当に悪い。
舞が傷つかなくていいんだ……
「…あとは…大切な話かな…?」
…ちゃんと舞に伝わりますように……
とか、願ったら俺、子供かな?
子供だけど……
舞はキョトンとする。
もしこれで、避けられたらヤダな…
でも、もう抑えきれないから言うしかねーじゃん。
カッコつけてるわけじゃない。
カッコつけるために言わなかったんじゃない。
嫌われたくなかったから言わなかっただけ。
おし…気合いはいれた。


