…昨日の事は私と聖は触れなかった。
きっと、さっき寂しそうに言ったのは
昨日の事に関係しているからだと思う。
私達は歩くと…目の前には
あの人がいて…
冬真くんだよね…
後ろ姿を見ると、
ドキドキしてしまうのはなぜだろう。
『綾瀬は俺の事すきなわけ?』
ポッと私は赤くなる。
冗談で言ったんだよね?
とにかく私は話しかけようとする。
もちろん昨日のお礼をするため
最後はあっかんべーで帰ったしな…
近づこうとした時…
「ねー?君、藤堂くんだよね?」
なぜか冬真くんの周りには
女子がどんどん集まってくる。
皆はすごく可愛くて…
まさに冬真くんにぴったりな子ばかりだった。
なんか世界観がちがくて…
まるで別世界みたい…
また胸がチクチクしてきた…
なんでだろ?チクチクって、他にもあるの…?
わからないなぁ…
それに確か冬真くんってモテるんだよね…
私は聖の隣を歩く。
「ねぇちゃん?」
聖はボーッとしていたのか
私が隣にきてびっくりしている様子。
「ん…?」
聖は私の顔を見つめる。
「なんで泣きそうな顔してんの?」
ぇ……
そんな顔してる……?


