雨唄*誘惑の毒


放課後、私は部活を終え帰ろうとしていた。
突然降りだした雨。

「ああ、ついてないな…」

パサッ

目の前の男子高校生のバッグから、一冊のノートが落ちた。

「あの、ノート落ちたよ」

「…ども」

私はノートを差し出した。
振り向いたのは金髪で色白で長身なイケメン。
彼はノートを取ると、バッグにノートを押し込んだ。

「それじゃ。」

私は傘は持ってなかった。
少し玄関で雨宿り。

「止まないかな…」

5分くらいして、まだ止まない雨。
さっきの男子高校生が、こっちに来る。

「傘、入る?」

それは私を心配してくれるかのように優しい声だった。