グイッと腕を引っ張られた。


「は、放して!」

「あんたさ、好きな人いる?」


「――え?」


いきなりの質問、しかも好きな人がいるかって…

「いないけど…」


ってか作る気もないし。

「じゃあ、付き合えよ。」




「――――――――――――はぁぁ!?」



あり得ない一言にものすごい声を出してしまった。


でも、喋ったこともない人と付き合うなんてやだ。

しかも女の子なんて選り取りみどりで、あたしなんかより可愛い子なんていっぱい、いるはず。



「えっと、丁重にお断りさせていただきます…」

こんな奴と付き合うなんて無理。嫌。


断ると青柳は目を見開きびっくりしたような顔をした。

まぁ、そりゃ顔もかっこよければ背も高い。


いわゆる、美男子だから告白を断られるとは思ってもなかったか。


「俺の何がいやなんだ。」


うわぁ、ナルシストかよ、自分がかっこいいって自覚してるんだ。


ま、かっこいいけど。


「まず、彼氏なんていらない。

あんたみたいなプレイボーイは嫌い。

あんたなんかと付き合ったら女子に殺される。

それから…「待て、直せばいいんだよな。‘プレイボーイ’なところ。」

「イヤ、直せばいいって意味じゃない。」


「でも、絶対俺のことを惚れさせて見せる」



どうして…?どうしてそこまでして―――