【完】隣の家のオオカミさん


視線の先には美里ちゃんを支えながら歩く洸汰さんと、少しその前を歩く大上くん。


美里ちゃんは俯いていて顔がよく見えない。



「美里ちゃん……平気?」



腰を上げて三人のところへと駆け寄る。



「あ…ごめんね、日向子ちゃん。上着借りっぱなしで……」

「そんなの気にしないで!ずっと着てていいよ」



美里ちゃんはわたしが大上くんのパーカを着ているのに気づいたのかそう言ってきた。



「日向子。かき氷買い行くんだろ」

「え、待っ……」



美里ちゃんの肩に触れようとした手を大上くんが先に掴んだ。


美里ちゃんがチラッと大上くんに視線をやったのが分かった。