【完】隣の家のオオカミさん


「あ、あの……美里ちゃん倒れちゃって大上くんが今救護室に運んでいきました」



声が震える。


自分でも驚くぐらい動揺していた。

人が倒れるところなんて見たことない。
胸がまだ変な音を立てている。


これはいつ治まるの?


美里ちゃんのあの柔らかな笑顔を見れば治まるのかな。



「意識はあった?」


「は、はい……意識は。でも目は閉じてて……」



青白かった顔を思い出してわたしは口を閉じる。


美里ちゃん大丈夫かな…



「あいつ、よく貧血起こすんだ。ちょっと俺見てくるから。千絵達が戻ってくるまで日向子ちゃんはここで待ってて」