立っていた美里ちゃんがいきなり膝からカクンと崩れ落ちた。
その瞬間を見てしまった。
まわりには千絵も洸汰さんも誰もいない。
みんな泳ぎに行ってしまったのだろうか。
「あ?なんだよ?」
「かき氷はいいからっ!美里ちゃんが!」
手を離して勢いよく走り出したわたしを大上くんの声が引き止める。
振り返らずにわたしはもつれる足を一生懸命動かした。
胸が変な音を立てる。
なぜか足がガクガクしててうまく走れない。
「美里ちゃん!どうしたの、大丈夫!?」
うずくまる彼女の背中をさすって顔を覗き込もうとしたら
ふっと大きな影ができて不思議に思い顔を上げた。



