ふっと涼しげに微笑む大上くんの視線から逃れるようにわたしは顔を反対側に向けた。
手を離そうとするとぎゅっと握られ離してはくれなかった。
つい口元が緩んでしまい、唇をきゅっと結ぶ。
ちゃんとしっかりと強く繋いでてくれてる。
それがただすごく嬉しかった。
「日向子が食べたいのってイチゴ味だっけ?」
何気なく辺りに視線をやって自分たちの荷物が置かれている場所を探してみた。
白いワンピースをまとっているひとりの少女。
すぐに美里ちゃんだと分かった。
「……大上くん、待って。美里ちゃんがっ…!」
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