「今のは違う!違うよ!」 繋がれていない方の手を顔の前で必死にブンブンと振って否定する。 もう売店の看板が見えてきていた。 周りにはもう人がたくさんいる。 こんなところでキスなんてできるわけないっ! 「誰も今ここでキスするなんて言ってねーけど?」 「へ?」 意地悪く唇の両端をもちあげて笑う大上くん。 じわじわと顔がさらに熱くなってくる。 握られた手も熱かった。 そろそろ手汗がやばいかもしれない… 「ここでしてほしいんならしてやるけど?」 「なっ、何言ってんの……」