【完】隣の家のオオカミさん



「行くぞ」



がしっと腕を掴まれてずるずると引っ張られるがままのわたし。

かき氷の入れ物を蹴ってしまいコロコロと転がっていってしまった。


あぁ…ゴミはゴミ箱に入れなきゃ…!



「お、大上くんっ……待って。歩くの速いよ」


「ばか日向子」


「ば、ばか日向子……っ!?」



止まってくれないし、不機嫌度は増してるし。


ねえ、大上くんってば!



「なぁ、さっきのナンパだってこと分かってる?もっと嫌がれよ。なに、愛想笑いしてんの?おまえ、頭おかしいんじゃねーの」




不機嫌そうな声が振ってきた。
今日の大上くん、口悪すぎです。