こんなに暑いのに、寒くないのに鳥肌が立っている。 パーカを羽織ってくるんだったな。 直接肌に触れられて気持ち悪い。 もう、なんなの。しつこいよっ……! 「おい、嫌がってんじゃん。離れろよ」 ぎゅっと強くつむっていた目を開こうとしたその瞬間、肩にあった重みは消えて腕をグイと引っ張られ体が傾く。 顔を見なくても分かる。 声だけで。 この抱きしめられた感じだけで。 すぐに分かったよ。 「お前誰だよ」 「こいつの彼氏ですけど?」