ズボンのポケットに手を突っ込んでどこかに歩いていってしまうその背中を追いかける。 朝からずっと不機嫌な大上くん。 理由ははっきりとはわからないけど…… 「日向子ちゃーん!郁磨ー!」 大きな声で呼ばれてわたし達はそちらに視線を向けた。 千絵のお兄さんの洸汰さんが手招きをしてわたしたちを呼んでいた。 洸汰さん、なんであんなに元気なのだろうか。 一時間以上ずっと運転していたのに。 今日は洸汰さんが運転する車でこの海までやってきたのだ。 「チッ」 舌打ちが聞こえて大上くんの方に視線をやる。