「日向子ちゃんさ、うちのパン屋で働きなよ!別に難しい作業とかはないし大丈夫だと思うよ」 スケジュール帳をペラペラとめくっていた手が止まる。 「うちの姉夫婦がやってるパン屋さんなんだ。日向子やる?」 「やるっ!お願いしますっ!」 わたしは身を乗り出して思わず千絵の手を取ってしまった。 桜田兄妹いい人すぎる! なんて優しいの! 時計を確認するともうそろそろ次の授業が始まろうとしていた。 わたしだけお皿まだ片づけてないし、トイレも行ってない! やばい。のんびりしすぎたぁっ!