【完】隣の家のオオカミさん



「でも、辞めて正解だと私は思うけどね。日向子、バイト始めてからだんだん痩せていったし食欲もないしちょっと心配だった」



黒目がちなその目がわたしをまっすぐ捉える。


彼女の名前は桜田千絵[さくらだ ちえ]


大学に入って初めて出来た友達。


華かな顔立ちとモデルさんのような抜群のスタイル。

緩く巻いてあるブラウンの髪が歩く度にふわふわと揺れる。


高校時代どれだけモテたんだろうと思う。
こんな美人さんを男たちが放っておくわけがない。



「またバイト探さなきゃかぁ」


「……あ、バイト募集してるところあるよ。日向子の家って駅前だっけ?」


「駅からはちょっと遠いけど……バイト募集中なの!?そこ紹介してっ」