【完】隣の家のオオカミさん



あぁ、怒られるのか。


お尻触られたって言ってもどうせ店長は信じてくれない。

私の話を聞いてくれない。



「何やってるのよ。あなたは!」



ぎゅっと唇を噛んで水浸しになっている床に視線を落とす。


震える右手を左手でぎゅっと上から握った。



「辞めさせてください。一ヵ月お世話になりました」


「……働いた分はちゃんと振り込んでおくわ」



店長の冷たい声にももう何も感じない。



もうちょっとだけ頑張るって決めたのにね。
でも、もう無理だよ。


このまま我慢していたらストレスでおかしくなっちゃいそう。