【完】隣の家のオオカミさん



バイトが終わるまであと少し。

あと少し頑張れば帰れるんだ。


洗い物を終えて次はトイレ掃除。
おばさん達はたぶんおしゃべりタイム。


あのおばさん達と同じ空間にいるんなら一人黙々とトイレ掃除をやっていた方が楽しい。


あの人たちと一緒にいると息が詰まる感じになってしまう。



「あ、トイレ使ってもいい?」

「はい!大丈夫ですよ」



ブラシやバケツを端っこの方に寄せてわたしはトイレから出て行こうとした。


手を洗ってふと視線をあげて鏡を見ると、わたしのすぐ後ろにはお客さんが立っていた。


え、近すぎでしょ……