【完】隣の家のオオカミさん



7月ももうそろそろ終わり、わたし達は長い夏休みを迎えようとしていた。


9月末までが夏休み。

大学ってこんなにも夏休みが長いのです。



「……よしっ!」



大きく深呼吸をして気合いを入れ、ドアノブを回し扉を開けた。


バイトいってきます。

今日は何も失敗しませんように。
叱られませんように。



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─────……



「え、それ本当なの?」

「そうらしいのよねぇ」



聞こえてくる話し声と笑い声にイライラしながらもわたしは一生懸命手を動かした。


今の時間、お客さんはそんなには入っていない。