「考えてること全部吐き出せよ」
隣に大上くんが座った重みでソファの軋む音が耳に入る。
のどの奥が熱くなって。
こらえたけどやっぱ無理だった。
ぽつりぽつりと口から出る言葉たちは嗚咽混じりでよく聞こえないと思うのに
大上くんはただただ静かに聞いてくれていた。
隣にいるこの存在がとても温かい。
「おばさんたちの前では泣くな。お客さんの前でも泣くな」
「泣いてないよ……」
仕事中は頑張ってこらえている。
もう高校生じゃないし、もう子供じゃないんだもん。
泣いてどうにかなるとなんて思ってない。
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