【完】隣の家のオオカミさん


──あ、信号が点滅し始めちゃってる……。でも走れば渡りきれるはず……っ!



チカチカと青信号が点滅している。

信号待ちなんてしてたら時間がもったいない。


だけど、渡ろうとしたその瞬間に赤に変わってしまい、わたしは足を急停止させた。


横断歩道の白いラインをぼんやりと見つめる。


駅前通りは車の交通量がとても多い。

騒がしい。


雑音が耳に入ってきて、その音がいつもより頭に響いて聞こえるような気がした。


よけい、頭をぼんやりとさせる。



「おい、日向子?」



そんな声とともにグイッと肩をつかまれ、身体が半分後ろに向けられた。



「お……かみくん……?」