【完】隣の家のオオカミさん



目を開けると一番に飛び込んできたのは見慣れた部屋の天井。


わたし、どうやって自分の家まで帰ってきたんだろう。

……あぁ、そうだ。
千絵のお兄さんに車で迎えに来てもらってここまで送ってってもらったんだっけ。


やばい。
全く記憶がない。

洸汰さんの顔を見たはずなのに思い出せない。


送ってもらったんだからたしかに顔は合わせたはずなのに。



「うぅ……」



考えすぎると頭がまた痛くなってくる。

またあとでゆっくり思い出せばいいや。


寒くて毛布を頭までかぶった。

その時ふと香ったにおいに首をかしげる。


ベッド横にある小さなランプのオレンジ色の光をぼんやりと見つめる。