嫌だ、なんて言える雰囲気じゃなくわたしは小さくうなずくしかなかった。 あぁ、逃げたい。 美里ちゃんと二人きりなんてっ…! どんな話をされるんだろう。 美里ちゃんの顔を見れなく ぎゅっとセーターの裾を握ってうつむく。 「…郁磨のこと返してくれてありがとうね」 鈴を転がしたような声がかわいいと思ってたけど、今はもう聞きたくない。 返してくれてって…なにそれ。 大上くんはずっと美里ちゃんのものだったみたいな言い方だ。 付き合ってる時は少なくともわたしの大上くんだったよ。