大上くんの赤くなった鼻先を見てふっと笑いがこぼれる。 「コンビニにでも行くの?もっとあったかい格好しなきゃ風邪ひくよ」 マフラーもすればいいのに。 首元がすーすーしてて見てて寒いよ。 「人の心配してないで自分の心配してろ」 そう言って少しだけ微笑んだその顔をわたしは目を少し見開いて見つめてしまった。 じゃあな、と呟いて通り過ぎてしまってもわたしは振り返ることができず。 これが他人の距離か。 今さら大上くんの指が当たったところが、おでこが熱くなる。 「───日向子!」