【完】隣の家のオオカミさん


満面の笑顔ってこういうのをいうのかな。

泣いてるのにちゃんと笑えてるし。
みんな、笑ってる。



「若いなー……」



クスッと自然に笑みがこぼしてしまう。


素敵な思い出だから。
このボタンもなにもかも全部捨てることはできない。


そっとふたを閉じてクローゼットの中に戻そうとしたけど、わたしは箱を両手で持ったまましばらくの間動かなかった。



たまには思い出すのも悪くはない。



ちょっとだけ思い出に浸らせてほしい。



胸の前で箱を抱えたままわたしは横になると目をつむってしまい、いつの間にか夢の中へと入っていった。


夢でならまた君に会える。
またあの日々に戻れる。


夢の中でならまた大上くんと笑い合える。