【完】隣の家のオオカミさん



どうやったら彼女を助けられるのか真剣に考えていた自分を笑うしかできなかった。



人間って最悪な生き物だと思った高校一年。
人間関係が面倒になり人とのつきあいは浅く、流されるように高校生活を送っていた。


深入りなんてしないし、絶対させない。



「私と別れてからいろんな女の子たちと遊んできたんでしょ? なんでいきなり日向子ちゃんのこと本気で好きになったの? もう、人は信じないんじゃなかったの」


「…………」


「あれ?日向子ちゃんのことも遊びなの?」


「おまえ、うるさい。もう喋んな」



睨みつけても動じない。

怖がるどころか口角をあげて笑みを浮かべる美里。