【完】隣の家のオオカミさん


そんなにわたしの顔がおもしろかったのかまだ笑い続けている洸汰さん。

もう……なんなんだこの人は。
冗談を真にうけちゃったじゃん。


「日向子ちゃんになにかしたら俺、千絵に殴られるし」


妹のことを恐れてるお兄ちゃんって……。
千絵さん強いわぁ。



「あそこのコンビニを曲がればいいの?」


「あ、はい。……あ、いやっ、コンビニで降ろしてくれればいいです。歩いてくので」


「ここらへんで最近、変質者出たらしいよ」



コンビニんの前を通りすぎ、狭い路地へと車は入っていった。



「ありがとうございます……洸汰さん」



ただ感謝の言葉しか言えない。

わたしのことがかわいそうでこんなに優しくしてくれるのかな。