玄関まで見送りに行こうとした千絵を無理やりベッドに寝かせつけ、部屋を出る。
「早く元気になってね。千絵がいないと寂しいよ」
「日向子もちゃんと大上と話しなね?」
手を振って静かにドアを閉める。
洸汰さんはもう外で待っている。
家には誰もいないらしいが玄関を出る際にお邪魔した、と言ってから出た。
「すみません。お願いします」
「いえいえ。乗って乗ってー」
どこに座ればいいか躊躇していると助手席のドアを開けられて、どうぞ?と洸汰さんは微笑んだ。
なんか、緊張するなぁ……
「あの、今日は本当にありがとうございました。千絵と会わせてくれて」



