【完】隣の家のオオカミさん


肩を並べてこの前と同じようにのんびりとした足取りで駅へと向かった。



「日向子ちゃんを笑わすためにやってんだからね、これ」



ふわっと笑うその横顔につい見とれてしまう。
なんでそんなに優しいんですか。


洸汰さんってなかなかつかめない人だ。
考えてることがよくわからない。


この前の洸汰さんとは違いすぎて少し戸惑う。



電車に揺られて30分ぐらいのところに桜田家はあるそうだ。
駅から徒歩で行けるらしい。



「―――はい、到着」



洸汰さんの声に顔をあげると三階建ての大きな家が目に入る。

わぁ、すごーい。大きい家だなぁ。