悪戯で妖艶な笑みとともに大上くんが差し出した手に視線を落とす。
首をかしげながらそれを見つめていると手をとられた。
「俺から離れなんよ」
まっすぐにわたしを捉えるその瞳が少し揺れた気がした。
グイッとその手を引いて自分から大上くんの頬に唇を寄せる。
離れていくわけないよ。
こんなにも大好きなんだから。
秋の長い夜はふけていく。
明かりを消した部屋には月の光が入ってきて床に淡く降りそそぐ。
「てか、日向子のベッドすげーふかふか」
「うん。ふかふかでしょ」
わたしが壁側で大上くんは外側。
たぶん、寝相悪いから朝には大上くんは隣にいないだろう。
床に蹴り落としたらごめんね?



