窓の鍵も閉めてガスの確認もして部屋を出た。 鍵を差し込んで回そうとしたその時、隣のドアが静かな音を立てゆっくりと開いた。 あ…大上くん。 「「…………」」 さっとわたしから視線を外すと携帯を見ながら鍵を差し込む大上くん。 わたしもつい、視線を床に落としてしまった。 なにもしゃべりかけてこない。 やっぱ、そうだよね。 そりゃ怒ってるか。 靴底を擦って歩き出すその足音を聞きながらぎゅっと目を瞑った。 「……昨日のあれは何?」