【完】隣の家のオオカミさん


どうしよう。
ケンカなんてしてこなかったから仲直りの仕方もわからない。


友達同士なら普通にごめんね、って言える。


でも大上くんを相手にするとちょっと困る。


たぶん、大上くんは隣にいる。
昨日の夜中ぐらいに部屋の前を通る足音が聞こえたから。


小さなアパートだからドアの開け閉めの音も聞こえるし、大家さんたちが近所の人と楽しそうに繰り広げられる会話も時々聞こえる。



大上くんはまだ寝てるだろう。
だってまだ朝の8時だもん。


……おなかすいたな。
朝ご飯まだ食べてないや。


暑くなる前に買い物に行こうと考え、わたしは支度を始めた。