つい、大きな声が出てしまう。 静かな部屋にはよく響いた。 窓を開けているからもしかしたら外にまで聞こえているかもしれない。 『あ、日向子?悪い、今日帰んの遅くなるから顔出せねーや』 耳を澄ませてみるけど電話の向こうからは大上くんの声しか聞こえない。 「そっか。分かったよ」 今どこにいるの?とは言えなかった。 おやすみなさい、と言って電話を切る。 ぼーっと見つめているとまた真っ暗な画面に。 自分の顔が映る。 作り終えていた夕飯を冷蔵庫に戻し、明日の用意をしてわたしは寝る準備に入った。