【完】隣の家のオオカミさん


いつも振り回されてます、わたし。


両手で頬を挟みながら逃げるようにわたしは自分の家へと入る。


高校の卒業式の日につき合い始め、大学も同じわたし達。


彼の名前は大上郁磨[おおかみ いくま]


お隣さんが、か、彼氏って……なんだこれ。
お姉様方何やっちゃってくれてるんですか!



でも毎日顔が見られるのは嬉しい。

学校でも会うけど、いつも駅でお別れ。
だけどこんなにも家が近かったら…というか、隣なんだけども。


会いたいときに会えるね。



頬が緩むのを感じてわたしは近くにあったクッションに顔をうずめた。



二人暮らしに近い一人暮らし。
始まります。