バスが到着しても手は離されない。そして、涼平はそのままあたしの手を引いて一年生の教室に足を進めた。


すれ違う人たちがみんな見てる。そしてその教室の中、あたしと彼の姿を見てゆっくり近づいてきたのはあの子。


どうしよう。
今日はタイムリミットの日だ。


急いで彼の手を離そうとしたのに余計に強い力で握られた手。


ダメなんだよ。ダメ。こんな姿見たら彼女を刺激しちゃう。




「・・・ごめん。どんな手を使われてもやっぱりもう同じことはしない。俺はもうこの子の手を離したくないんだ。でも、俺を好きになってくれてありがとう。だから・・・この気持ちのままでずっといたい。君は俺を好きになってくれた女の子ってことだけで嫌いにはなりたくない」