「タイムとか走り方とか俺が見てやるよ。1人でやると逃げられるけど監視がいたら嫌でもやりきれるだろ?それに俺が一緒なら放課後だって練習できる。帰り道が暗くなっても同じバスだからさ」




瞬きが止まらない。どうしよう、
涼平が優しい。



ドキドキする。止まらない。好きな気持ちがどんどんと加速していく。




「なっ、だからリレー頑張れよ」




優しく頭に置かれた掌が、その優しい笑顔が、全部あの辛い態度を払拭するかのようにあたしの中で駆け抜けて行く。



涼平、本当にあたしと別れたこと後悔してるの?好きだって思ってくれてるの?




そんな浮かんだことはもちろん聞けるはずもなく、あたしはただゆっくりと頷いた。