《ねぇ、私、若本くんのこと、
 好きになっちゃった。》


私は、メールを送ってしまってから、
 
ハッとした。

わたし、いきなりなに言ってるんだろう・・・!!

どうしよう。。。



《えっ?》

数分後、若本くんから返信がきた。

もうこの際正直に言っちゃえ!なんて、半ば投げやりな気持ちになっていた。


《だから、わたしと付き合ってくれない?》



《ごめん。
 俺、好きな人いるから》


あっさり振られてしまった。

そんなこと、最初からわかってたはずなのに、

振られるってわかってたはずなのに、

頬を伝う温かいものは、

わたしに現実という厳しさを知らしめた。


《うん。わかった。
 いきなりゴメンね。》

わたしは、こういうしかなかったのだ。


すると、


《好きになってくれて、ありがとう。》


若本くんが王子様みたいな、

そんな優しい言葉をくれたものだから、

わたしは、完全に彼の虜になってしまった。