※公開終了間近! イロモノなアタシ

「志穂、大丈夫? 」


廊下に出た敬介は、心配そうに顔を見た。


彼女があんな剣幕で吠えれば、誰だって心配するよね。


ごめん。


「大丈夫、ねえ、悪いんだけど帰る。米山さんの事、お願い」
「うん、でも、どこまで正直に話していい? 」


こんな時に、天然なんだから……。


「性別の件以外は、正直に話してもいいよ」
「いいのかな、俺、ゲイ疑惑までかけられそうで」
「こうなったら、毒を食らわば皿までだから」
「だよね」


ガクっ、と肩を落とす敬介の背中を軽く叩く。


「とにかく、頑張って。あたし、出来るだけの事はしたから」
「ありがとう、志穂。俺、何とかするよ」


頼むよ、彼氏なんだから。


ボケたりしないでよ、コントじゃなくてこれは現実だし。