※公開終了間近! イロモノなアタシ

やっとの思いで店を終えて、蘭子さんと一緒に『ZUKA』に向かう。


浩さんは、もうすぐ閉店を迎える店の片づけを少し始めているらしく、小物類が消えていた。


「やっだぁー、さみしいじゃない」
「すみません、1人だと明け渡しまで間に合いそうにないんで」
「そぉ、よかったら手伝うわよ、何年の付き合いだと思ってるの」
「ありがとうございます蘭子さん」


店の中も、人が少なくてなんだか静かだ。


「次は、どこが入るのかしらね? 」
「男性のお店だそうですよ、元ホストさんが経営するって話です」
「じゃー、若い子来るわねぇー」


2人の会話を聞きながら水割りを作っていると、レイ君の話題になる。


「あの子、今、大阪なんですって? 」
「そうなんです、ウチのお客さんが出張で偶然会ったって」
「そぉ、いい子だったのに、残念ね。でも、お店閉めるんだから仕方ないか」
「彼女と駆け落ちしたって話みたいですよ、若いですね」


二丁目の噂は回りが早いんだ、どこの店子が今、何をしているかなんてすぐに分かってしまう。