※公開終了間近! イロモノなアタシ

聞き返す専務が笑いながら言う。


「あんな、君の場合、これは内内定も兼ねてる面接やし。ワシ、一目ぼれしたから、その顔と度胸に」
「はい? 」
「マネージャーちゅうのは、局の人間に覚えてもろうてナンボの仕事やねん。普通の顔やったら、すぐに忘れられる。けど、ブサイクは一度見たら忘れられへん、ええか? 顔覚えてもろたら、その分声掛かるやろ? もちろんタレントの芸も大事やけど、仕事取って来られへんかったら、話にならんのや。それから、人目をはばからずに土下座する度胸にな」


そういう意味だったのかと、妙に納得した。


しかしこの人、どこかで見た事がある。


米山の宣戦布告を受けたスタジオに……あ、浩さんの部屋の写真!


まさか、浩さんの彼氏がこの人だったとは。


「木村専務、ブサイクは言い過ぎやで、セクハラやし」
「いや、この子は自分でブサイクだって納得してますやん。せやから、言われてもなんも思わへんし、逆にそれをネタにする根性のある子やと」
「なるほど、それで」


おいおい、ブサイクで通用する職場がありましたよ。