※公開終了間近! イロモノなアタシ

他にもクミさんを狙っている人はたくさん居るし、開き直って他の人にすればいいのにと思うけれど、恋愛ってやっぱりそうじゃないんだろう。


「他の誰もダメなの、レイ君じゃなきゃ」
「クミさん……」


正月に我が家へ珍しく来たのは、そういう理由だったのかと納得する。


失恋の痛みは、男女いや、ニューハーフ女共通なんだな。


あたしだって、立ち直れないほどあの時は打ちのめされていたし。


「男以上に男らしいのよ、レイ君って。スーツ買ってあげるって言っても、要らない、自分で買うからとか」
「ヒモみたいになるのが嫌だったんでしょうね、彼」
「多分、私、ペット扱いしてたみたい」


よくある話、職業上夜働く人はペットを飼いたがる。


そう、お客様からのストレスを受け続けた後、自分だけを癒してくれる存在が欲しいから。