「なーに見てんのぉー? 志穂タン」
「ウッ、何でもありません」
クミさんが、携帯を取り上げて皆に回覧を始める。
止めてーお願いー、止めてー!
「あらっ、まあラブラブねぇ」
「ママ、娘が成長してるわよ」
「で、どこまで行ったの? え? 」
お父さんがハンカチを手にして、涙をぬぐうフリをした。
「志穂は、けなげねぇ……」
「ねー、彼氏とニアミスしてもパンピーよそおってウケ取るんだから」
「お参り済ませたら、また家で飲みましょうよー『それから、愛してる』に乾杯だわ」
「いいわねー、それ」
その後、『それから、愛してる』は、シャングリラでの流行語になるんだろう。
いつだってこの人たちにペースを崩されまくるあたし、まあ、そういう生まれだから仕方ないけれど。
「飲みましょうか、皆で」
「シホちゃん、つまみは頼むわよ」
「はいはい」
こうしてオカマの母親に、いじわるな継姉にお仕えしながらシンデレラのお正月は過ぎて行く。
カマボコと、数の子と黒豆とお煮しめ足りるかな……、あ、ローストビーフも。
「ウッ、何でもありません」
クミさんが、携帯を取り上げて皆に回覧を始める。
止めてーお願いー、止めてー!
「あらっ、まあラブラブねぇ」
「ママ、娘が成長してるわよ」
「で、どこまで行ったの? え? 」
お父さんがハンカチを手にして、涙をぬぐうフリをした。
「志穂は、けなげねぇ……」
「ねー、彼氏とニアミスしてもパンピーよそおってウケ取るんだから」
「お参り済ませたら、また家で飲みましょうよー『それから、愛してる』に乾杯だわ」
「いいわねー、それ」
その後、『それから、愛してる』は、シャングリラでの流行語になるんだろう。
いつだってこの人たちにペースを崩されまくるあたし、まあ、そういう生まれだから仕方ないけれど。
「飲みましょうか、皆で」
「シホちゃん、つまみは頼むわよ」
「はいはい」
こうしてオカマの母親に、いじわるな継姉にお仕えしながらシンデレラのお正月は過ぎて行く。
カマボコと、数の子と黒豆とお煮しめ足りるかな……、あ、ローストビーフも。


